#ヘントーーーク Vol.1
ターゲット不明!
結論なし!!ただの社内の雑談!!
だけど私(ちひろ)の独断と偏見でアップします!
おひま潰しにどーーーぞ!!
・うだがわ:う
・さかもとちひろ:ち
・デザインの価値の上がり下がり?
ち:「これからのデザイナーの役割について」なにか、思うとこがあるらしいですが?
う:えーと、は僕は自分の母校(東洋美術大学)で非常勤講師をしているんだけど、半年に一回くらい、講師会という学校の教育方針を話し合う機会があって。具体的な授業内容ももちろん決めなきゃいけないんだけど、そもそも、デザイナーを志す学生さんたちは、どんなスキルを身につけておくべきなのか、デザイナーにこれから求められるものってなんだろうって言うことも考えないとなー、と思って。学科はインダストリアルだったり、グラフィックだったり専門分野に別れているけど、デザインのくくりで共通して学ぶべき課題、テーマがあるんじゃないかと。
ち:ジャンルに関わらず、これからのデザイン業界に共通する傾向があるって話?
う:そうそう。極端な話、デザイナーだから絵が描ける、スケッチがかけるってだけではこの先苦しいと言われているけど、その一方で大企業が新たにデザイン部門を作って、デザイナーを1000人規模とかで大量に採用している状況もある。企業は今まで以上に、デザインやデザイナーに価値を見出してるから採用しているわけで。
ち:なるほど。デザイナーは求められてはいるけど、学生さんたちも、ただデッサンがうまい、フォトショ、イラレ、CADが使える言った専門スキルを身につけるだけじゃ、足りないと。ちなみに、そういうテクニカルなスキルに関しては、ソフトや機械学習の進歩で誰でも簡単にデザインが起こせる時代がくるから、そのスキルはいらないよー、ということ?
う:うーん、ちょっと違うかな。インスラグラムが普及して、誰でも簡単におしゃれな写真が取れるようになっても、カメラマンという仕事はなくならないというような話かと。テクニック無しでみんなが簡単にデザイン自体が起こせる時代がきても、デザイナーのデザインスキルは必要とはされると思う。
ち:確かにどれだけインスタグラムが流行ってても、カメラマンの仕事をインスタグラマーが奪っているとは思えないかも(笑)
う:で、これからの流れの一つとして、狭義の意味でのデザインスキルの価値は下がる、広義の意味でのデザインスキルは上がると言われてるのね。狭義の意味でのデザインスキルは、さっきも話していたように、フォトショップが使える、イラストレーターが使える、3Dソフトが使えるといったスキルの価値のこと。で、これは価値が下がっていくかもと。一方で上がると言われている広義の意味でのデザインスキルだけど、広義のデザインスキルって?って言う(笑)
・謎のデザインスキル
ち:うーん、広義のデザインスキルって漠然としてて、ちょっとピンとこないなぁ。
う:広義の意味でのデザインスキルって「見えてない課題を明確化するスキル」とか「競争優位なソリューションを思いつけるスキル」「実行のためのネットワークプロセスを用意できて、かつ実行できて、かつかつ適切なタイムスパンで結果を出せるスキル」みたいな、求められているのが、もう謎のスキルで(笑)
ち:それって、もうほんとにそれデザインスキルなの?みたいな(笑)ハイレベルではあるけど謎のスキルかも。なんだろ、マネジメントスキルに近いような。
う:そう。となると「広義ではデザインスキルの価値が上がってる」と言い切るのもちょっとなぁ、と思う訳ですよ。上がってるのはデザインスキルかわからない謎のスキルの価値であって・・・
ち:少なくとも、オーソドックスに「デザイナーのスキル」としてイメージするスキルじゃない。
う:でも、そもそも、絵を描くのがうまいとか、専用ソフト使えるとか、そういった狭義のデザインスキルを「スキル」っと表現するのにも疑問を感じてて。スキルというか、それは前提として出来て当たり前であって。
結局、狭義広義のどっちのデザインスキルもデザインスキルじゃなさそうだなーってのが、私の今の結論です(笑)
ち:そもそものデザインスキルの定義から違ってるんじゃないかっていう。となると、デザインスキルって、一体どういったスキルを指すと思います?
う:そうねぇ、かつて、自分の中で定義づけは「デザイナーは視覚化に対して責任を持つ仕事」と考えていたんだけど、最近の技術発展の傾向だとちょっと違ってきてるかもなぁ。意思とか意識の方がスキルとして大切かもなぁって思ってるんだよね。
ち:意識のスキルって・・・?なに?
う:例えば「物事をより良くする」というマインドセット(スキル)があれば、より良くする方法やアイデアはそこらじゅうに転がっていて、自分自身でやらなくてもいい結果が得られることなんてざらな状態だと思うのね。
(理由はともあれ)短時間で10,000案欲しけりゃクラウドソーシングとか、AIに突っ込んじゃうとか、TRIZに頼るとか色々方法があるわけです。自分自身でウンウン唸りながら考えなくても。だけど「より良くしよう」と思いつくスキルが無ければやらない。よくわからないのが、そういう意識的なこともスキルというのか?(私はそうだと思うのだけど)
まぁ、スキルとは「身体の動かし方を知っていること」「綺麗な絵を描けること」と考えている人からするとそれはスキルじゃないってなっちゃって、まず話が噛み合わなくなってしまう。だから、デザインスキルがどうこうの前に、「スキルとはなにか?」の議論が必要なんだけど、この話になると大抵めんどくさがられるよね(笑)
ち:じゃあ、とりあえずこれはスキルとしておいて(笑)より良くしようと思いつくスキルはどうしたら鍛えられるのですかね?
う:そのあたりはいわゆる教育の方法なんかと同じではないかな。
・概念があることを知る。
・実践する。
・その概念の有用性を知る。
・やる気が出る。
・さらに研鑽する。
こういうことの繰り返しで、意識のスキルも育つと思ってます。
・おもしろい「問い」のつくりかたとは?
う:あと、最近、よく思うのが答えはもうAIが出してくれる時代になったなと。そう言う時代で大事なことは、どんな「おもしろい問い」を考えることができるか、だと思うんだよね。AIがメタ的に物事を捉えるようになったら、人と同じように問いから考えて、勝手に問題解決しちゃう時代もくるかもしれないけど。今はまだできない。その間は、とりあえず、おもしろい問いがあることが大事になるかなって。
ち:「おもしろい問い」というと例えば??
う:うーん、テーブルをデザインするときに「どういうテーブルをつくるか?」っていう問いは面白くなくて、「座って使う以外の使い方がある机って?」はおもしろい問いだと思う。
2番目の問いの場合なら、「歩きながら使うテーブル?」「立ちながら使うテーブル?」「背負いながら使うテーブル?」って感じで、今までなかった切り口が見えて来るかも。
ち:たしかに、どういうテーブル?だと漠然としすぎてて、どの方向に深堀りしたらいいのかもわからない。座って使う以外のテーブルの方がアイデアが出やすい気がするな。
う:多分、問いの中に「矛盾」した要素を入れるとおもしろい問いになるんじゃないかと思うんだよね。
テーブルなら座って使うものなのに、座って使えないって矛盾してる。矛盾した問いが入ることで、想像がつかない答えを得られるじゃないかって。でも、まだちゃんと考えてないから、これはもっと掘り下げていくと面白いメソッドができるかも。
ち:じゃあ、次のインタビューまでにメソッド化しておいてください!!これマストの宿題で(笑)