こんにちは、さかもとです!

今回はインタビュー第2回ということで、「HENKAとお仕事」をテーマに宇田川にインタビューしました。いったい、君らは何をしとる会社なのかね?とお思いの方の疑問が晴らせたら幸いです(笑)

では、さっそくどうぞ。

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第2回  HENKA対談インタビュー

代表 宇田川 直哉(うだ):ud_2

インタビュアー 坂本 千尋(さか)ch_1

 

●”デザインをコンサルタントする”ってどういうこと?


さか
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今回はHENKAが何してるのかってことをもっと知ってもらおう!ということで、そもそも、HENKAの主な業務内容である「デザインコンサルタント」ってなんぞ?ってとこから聞いていきたいのですが…

 

うだud_3

そうですねぇ、人によって、いろんな言い方があると思うけど、僕はコンサルタントするということは「クライアントさんが気づいてる課題や抱えている問題から、まだ気づいていないけど、重要な課題や問題を引き出して、さらにその解決策を提案する仕事」ってイメージですね。コンサルタント=クライアントさんに驚きを提供する仕事と定義する人もいるかも。


さか
ch_1

なるほど、見えていない問題を見えるようにして、その解決まで導く、そんなイメージでしょうか。では、”+デザイン”となると?


うだ
:ud_3

うーん、デザインの定義の話になると思うんだけど、「問題解決を、視覚的、体験的な手法をもちいて行うこと」がデザインだと思っています。
なので、「デザインコンサルタント」は解決策を目で見える形だったり、手で触れてわかるような方法で考えるってことかなと。
視覚的っていうと「目に見えることだけのデザイン」ってとられがちなんだけど、たとえば、スマホのカバーをデザインする時に、形はできてるけど、手で触った時にすごいザラザラして痛いとか、表面が味付け海苔でできている、とかじゃダメでしょ?

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さか
ch_1

味付け海苔(笑)うん、表面が味付け海苔のスマホカバーなんていやですね。ザラザラで痛いスマホカバーなんて苦行でしかない(笑)

 

うだ:ud_3

だから、視覚的って言っても、単に見た目だけ考えるんじゃなくて、使った時の”フイードバックの良さ”まで考えていく必要があると思ってます。
なので、デザインコンサルタントは「まだ見えてない問題を見えるようにして、その問題を体験的に気持ちよく解決できる方法を考える仕事」っていう感じかなぁ。「体験的に」っていうと広義になっちゃうんだけど。
うーん、なんかもっと、「デザインコンサルタント」を一言で「ワオっ!!」って言わせる表現で言えればカッコイイんだけどねぇ。

 

さか:ch_1
まぁ…うん、そうですね(笑)まとめて一言で言えたらカッコイイですけどね。

 

うだ:ud_3

そうねぇ〜(苦笑)とりあえず、教科書的にいうと、デザインコンサルタントってこういうことかなって思ってます。そもそも、コンサルタントするってことがおこがましいなぁなんて思ったりもしますが。

 

さかch_1
それを言っちゃうと(笑)日本語にしたらもっとソフトになるんじゃないですか?デザイン相談員とか(笑)

 

うだ:ud_3

いや〜、なんか日本語にしてしっくり言い表せる言葉がないよねぇ。
HENKAにも「デザインコンサルタント」以外のしっくりくる表現があるといいんですけどねぇ。

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●”ストラテジックデザイン”ってなんぞ?

さかch_1

一言では言えませんでしたが、デザインコンサルティングの意味はわかりました。
つぎはHENKAが得意とする”ストラテジックデザイン”について聞きたいのですが。ストラテジックを日本語にすると、戦略的にってことですよね。戦略的にデザインするってどういうことでしょう?


うだ
:ud_3

うーん、僕のイメージだと…って全部、僕のイメージの話でアレなんですけど(笑)ストラテジックデザインは、「デザインの専門家でない人が、そのデザインの良し悪しを判断できる裏付けや意味付けがあるデザイン」かなと。
ビジネス的にだったり、マーケティング的な理由でこのデザインになってますって言えるデザインって言ったらいいかな。数値的に、合理的に判断できるというか。
見やすいデザイン、きれいなデザインっていうのは当然の大前提で。さらに、クライアントさんの目的のための最適な表現を考えてデザインすることかなぁ。

さか
ch_1

「クライアントさんの目的のための最適な表現を考える」ってつまり、デザインコンサルタントの仕事を一言で言い表してませんか?


うだ
:ud_3

ああ、確かにそうかも(笑)
まぁでも、「デザインでクライアントさんの売上を下げてやろう」なんて考えのデザイナーはいないから、みんなそう思ってやってるとは思うけどね(笑)

 

●”ストラテジックデザインのジレンマ”


さか
ch_1
ストラテジックデザインの意味はわかりました。心地よい、美しい、見やすいデザインの上で、さらに、数値的、合理的な理由付けがあるデザインってことですね。
では、ストラテジックデザインの課題もあるんですか?


うだ:ud_3

目的に合ったデザインって言うのは、「合理的」であるべきなんです。目的を達成したい人は合理的なものが欲しいわけだからさ。
たとえば、「商品の売上アップ」って言う目的に対して、周りの環境とのコントラストを上げて、目立たせるデザインにしましょう!
もしくは、白い資材は他の資材より安いから、白い資材を使ったパッケージにしてコストダウンし、利益率を上げましょう!っていうのは、合理的な裏付けがあるストラテジックなデザインではあるし、考えているときは、いいじゃんこれって思うんだけど、いざ、プレゼンしてみると、クライアントさんからしたら、「そりゃそうだ、当たり前だよそんなの」ってなっちゃう。
合理的になればなるほど、アイデアがつまんなくなっちゃいがちだなと。

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さかch_1

合理性に反比例して、アイデアの驚きは下がると。


うだ:ud_3

たとえばね、IDEOさんっていうデザインファームの例なんだけど、クライアントの「駅の自動販売機の売上をアップしたい」に対する彼らの答えは「自動販売機の上に時計つける」だったのね。


さか
ch_1
一瞬、なんで時計?本当にそれで売上伸びる?って思いますけど。売上がそれで上がったんですか?


うだ:ud_3

そう、駅にいる人を観察したら、次の電車の到着時刻までの時間を確認して、余裕があるのを確かめてから、ジュースを買うという流れの人が多かった。
だったら、自動販売機の上自体に時計があれば買いやすくなるのでは?っていう理由がちゃんとあって、結果売上が伸びたっていう話なんだけど。ユーザー調査やって、ちゃんと合理性もあって、突拍子のなさもあっていいアイデアだと思う。
でも、なんかこう、すごく真面目というか。


さか
ch_1
まぁふざけてはないですね。


うだ:ud_3

なんかね、こう、真面目でキレイだなーと(笑)
ストラテジックデザイン全体、お笑い的要素、エロチックな要素とか、そういう人間的の根源的な誰しもが持ってる欲求にたいして、アプローチがないっていうのがすごくもったいないなーと思ってて。
すごく綺麗事すぎるっていうか。ストラテジックデザイン界ではそういうのを扱わない協定があるのかわからないけど(笑)


さか
ch_1
ほう。というと?


うだ:ud_3

包括的にストラテジックに考えますって言ってるのに、そもそもの考えるべきチョイスの中に、そういう根源的な要素が入ってないっていうのが、もったいないっていうか。
例えば、VRが出た時に、医療で使おうとかいろいろ言ってたのに、真っ先に進んだのがアダルトコンテンツへの応用だった。確かに、エロティックなことは、ナイーブな問題で扱いが非常にむずかしいんだけど、だからこそ、ストラテジックにコントロールしていく必要もあると思ってて。まぁ、提案しても、クライアントさんにハネられてるのかもしれないけど(笑)
頭がいい人たちの集まりなんだから、包括的にこういうことも考えるべきなんじゃないのーっていうのが、ストラテジックデザイン界の課題かなーって思ってます。

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図を描き説明する宇田川。紙の端を矢印型に破り…

 

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うだ:ud_3
図で説明するとこんな感じ。
ストラテジックデザインは、全方位をカバーしてベストなアイデアを出すはずなのに、この矢印が立ってるせいである分野だけ隠されてしまっている。
こういう状況だと思うんだよね。

 

さかch_1
なるほど、この隠れてる部分が、たとえば、オモシロ要素だったり、おふざけだったり、エロだったり。
そういう大っぴらに出せない部分もストラテジックにコントロールできれば一つの強みになるでしょうね。


うだ:ud_3

そう、だから、HENKAはそういう部分に触れ無いのではなく、ポジティブに考えていきたいなって思ってます。
僕たちはエロ、グロ、オモロもきちんと考えられるデザインファームにしたいなーと。

あ、まじめにそう思ってるからね(笑)

 

〜エピソード2に続く